○徳島大学遺伝子組換え実験安全管理規則
平成16年3月19日
規則第1835号制定
(目的)
第1条 この規則は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。)及び関係法令(以下「法令」という。)に基づき、徳島大学(以下「本学」という。)において遺伝子組換え実験(以下「実験」という。)を計画し、実施する際に遵守すべき安全確保に関する必要な事項を定め、もって、実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規則において「部局」とは、各学部、大学院各研究科、大学院各研究部、教養教育院、先端酵素学研究所、ポストLEDフォトニクス研究所、徳島大学学則(昭和33年規則第9号)第4条に定める共同教育研究施設等及び病院をいう。
2 この規則において「部局長」とは、前項に規定する部局の長をいう。
(学長の責務)
第3条 学長は、本学において実施する実験の安全確保に関する事項を総括する。
(部局長の責務)
第4条 部局長は、法令及びこの規則に定めるところに従い、当該部局における実験の安全確保に関し必要な措置を講じなければならない。
(安全主任者)
第5条 実験を行う部局ごとに、安全主任者を置く。ただし、徳島大学遺伝子組換え実験安全管理委員会(以下「安全委員会」という。)が認めた場合は、この限りでない。
2 安全主任者は、法令及びこの規則を熟知するとともに、遺伝子組換え実験に関する知識及び技術に習熟した者とする。
3 安全主任者は、実験の安全確保に関して部局長を補佐するとともに、次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 実験試料、遺伝子組換え生物、施設?設備等の管理状況及び実験の進ちょく状況を把握し、実験が法令及びこの規則に従って適正に遂行されているか否かを確認すること。
(2) 実験責任者に対し、実験の安全確保に関する指導及び助言を行うこと。
(3) その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。
4 安全主任者は、その任務を果たすに当たり、安全委員会と十分連絡をとり、必要な事項について、安全委員会に報告するものとする。
5 安全主任者は、部局長の意見を聴いて、学長が命ずる。
6 安全主任者の任期は2年とする。
7 安全主任者は、再任されることができる。
(実験責任者)
第6条 実験を実施しようとする場合は、実験計画ごとに、実験従事者のうちから実験責任者を定めなければならない。
2 実験責任者は、法令及びこの規則を熟知するとともに、生物災害の発生を防止するための知識及び技術に習熟した者とする。
3 実験責任者は、当該実験計画の遂行及び実験の安全確保並びに遺伝子組換え生物を含む試料及び廃棄物(以下「遺伝子組換え生物等」という。)の保管、運搬について責任を負うものとし、次の各号に掲げる任務を果たすものとする。
(1) 実験計画を立案し、学長に承認申請をすること。実験計画を変更する場合も同様とする。
(2) 実験計画及びその実施に際しては、法令及びこの規則を十分に遵守し、実験全体の適切な管理?監督に当たること。
(3) 実験開始前に実験従事者に対し、法令及びこの規則を熟知させるとともに、実験の安全確保に関する教育訓練を行うこと。
(4) 遺伝子組換え生物等の保管、運搬等実験の記録を行うこと。
(5) その他実験の安全確保に関する必要な事項を実施すること。
4 実験責任者は、その任務を果たすに当たり、所属部局の安全主任者と十分連絡をとり、必要な事項について、所属部局の安全主任者に報告するものとする。
5 実験責任者が病気その他の事故により、その任務を行うことができないときは、その期間中、その任務を代行させるため、実験責任者代理を定めなければならない。
(実験従事者)
第7条 実験従事者は、実験の計画及びその実施に当たっては、安全確保について十分に自覚し、必要な配慮をするとともに、あらかじめ、微生物に係る標準的な実験法並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し、習熟していなければならない。
2 実験従事者は、実験を行う際は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 承認を受けた実験計画に従って行うこと。
(2) 実験開始前及び実験中において、実験に用いられる核酸供与体、宿主、ベクター等が、常に法令で定める生物学的封じ込めの条件を満たすものであることを厳重に確認すること。
(3) 法令の定めるところにより、実験の安全度評価に応じて、拡散防止措置及び生物学的封じ込めの方法を適切に組み合せて実施すること。
(4) 法令の定めるところにより、拡散防止措置の区分に応じたそれぞれの拡散防止措置の内容を遵守すること。
(実験の承認申請手続)
第8条 実験責任者は、法令の定めるところの承認を必要とする実験を実施しようとするときは、別表1に定めるところにより、あらかじめ実験計画を所属部局長を経由して学長に申請しなければならない。承認を受けた実験計画の変更についても同様とする。
2 学長は、前項の規定による申請があったときは、安全委員会に諮り、その審査を経て、実験計画を承認するか否かの決定を行うものとする。ただし、法令の定めるところにより、文部科学大臣の確認を必要とする実験については、学長は、あらかじめ文部科学大臣の確認を受けるものとする。
3 学長は、前項の規定による決定を行ったときは、所属部局長を経由して、当該実験責任者に通知するものとする。
(審査基準)
第9条 第8条第2項に規定する安全委員会の審査は、実験の目的?内容、施設?設備、実験従事者の資格その他の実験の安全確保に関する事項が、法令に定める基準に適合しているか否かについて行う。
(施設?設備の管理及び保全)
第10条 実験責任者は、施設?設備の定期点検その他の管理及び保全を法令の定めるところにより実施し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずるとともに、所属部局長を経由して学長に報告しなければならない。
(標識)
第11条 実験責任者は、拡散防止措置の区分に応じて、次の表に定めるところにより、実験に係る標識を掲示しなければならない。
拡散防止措置の区分 | 掲示しなければならない標識 | 表示場所 |
P2レベル | 実験が進行中の場合には「P2レベル実験中」と表示した標識 | 実験室の入口 保管設備 |
P3レベル | 実験が進行中の場合には「P3レベル実験中」と表示した標識 | 実験室の入口 保管設備 |
LSCレベル | 実験が進行中の場合には「LSCレベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験区域 |
LS1レベル | 実験が進行中の場合には「LS1レベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験区域 保管設備 |
LS2レベル | 実験が進行中の場合には「LS2レベル大量培養実験中」と表示した標識 | 実験区域 保管設備 |
P2Aレベル | 実験が進行中の場合には「組換え動物等飼育中(P2)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P3Aレベル | 実験が進行中の場合には「組換え動物等飼育中(P3)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P2Pレベル | 実験が進行中の場合には「組換え植物等栽培中(P2)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
P3Pレベル | 実験が進行中の場合には「組換え植物等栽培中(P3)」と表示した標識 | 実験室の入口 |
(実験施設への立入り)
第12条 実験責任者は、拡散防止措置の区分に応じて、法令の定めるところにより、実験施設への実験従事者以外の者の立入りについて制限又は禁止の措置を講じなければならない。
2 実験責任者は、実験(P1レベルを除く。)が実施された場合は、実験室等へ出入した者の氏名、出入の目的その他必要と認める事項を記録しなければならない。
(遺伝子組換え生物等の取扱い)
第13条 遺伝子組換え生物等は、「遺伝子組換え生物」であることを明示し、その遺伝子組換え生物を用いる実験に関して定められた拡散防止措置の区分の条件を満たす実験室、実験区域又は保管設備に完全に保管しなければならない。また、遺伝子組換え生物等を保管する冷凍庫、冷蔵庫等には、遺伝子組換え生物を保管中である旨の表示をしなければならない。
2 P2レベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等を実験室の外に運搬する場合には、堅固で漏出、逃亡その他拡散しない構造の容器に入れて実験室で密閉してから搬出しなければならない。
3 P3レベル以上の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等を実験室又は実験区域の外に搬出する場合には、堅固で漏出、逃亡その他拡散しないよう二重に容器に入れて実験室で密閉し、万一容器が破損しても内容物が漏出しないようにするとともに、容器又は包装物の表面の見やすいところに「取扱注意」の朱文字を明記しなければならない。
4 実験責任者は、法令の定めるところにより、遺伝子組換え生物等の保管及び運搬について記録しなければならない。ただし、P2レベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等の保管及び運搬の記録は、実験記録をもって代えることができる。
(1) 文書の交付
(2) 遺伝子組換え生物の容器等への表示
(3) ファクシミリ
(4) 電子メール
6 前項の規定により、遺伝子組換え生物の譲渡、提供、委託又は譲り受けを行った実験責任者は、所属部局長を経由して学長に報告しなければならない。
7 遺伝子組換え生物を輸出する場合には、実験責任者は、法令に定める輸出に関する措置を行わなければならない。
8 前項による輸出を行った者は、所属部局長を経由して学長に報告しなければならない。
(1) 危険度に応じた微生物安全取扱い技術
(2) 拡散防止措置に関する知識及び技術
(3) 生物学的封じ込めに関する知識及び技術
(4) 実施しようとする実験の危険度に関する知識
(5) 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養実験においては、遺伝子組換え生物を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置に対する配慮を含む。)
(健康管理)
第15条 部局長は、実験従事者の健康管理につき、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 実験従事者に対し、実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに、健康診断を行うこと。ただし、本健康診断は、各部局における一般健康診断をもって代えることができる。
(2) 実験従事者が人に対する病原微生物を取り扱う場合には、実験開始前に予防治療の方策についてあらかじめ検討し、必要に応じ抗生物質、ワクチン、血清等を準備するとともに、実験開始後6ヶ月を超えない期間ごとに、特別定期健康診断を行うこと。
(3) 実験室内又は大量培養実験区域内における感染が疑われる場合には、直ちに健康診断を行い、適切な措置を講ずること。
(4) 健康診断の結果を記録し、保存すること。
(5) その他、この規則に定めのない事項については、労働安全衛生法等の人の健康の保護を図ることを目的とした法令等を遵守すること。
2 部局長は、実験従事者が次の各号のいずれかに該当するとき又は同様の報告を受けたときは、直ちに調査するとともに、必要な措置を講じなければならない。
(1) 遺伝子組換え生物を誤って飲み込んだとき又は吸い込んだとき。
(2) 遺伝子組換え生物により皮膚が汚染され、除去できないとき又は感染を起こすおそれがあるとき。
(3) 遺伝子組換え生物により実験室及び実験区域が著しく汚染された場合に、その場に居合わせたとき。
(4) 次項に規定する報告をうけたとき。
3 実験従事者は、絶えず自己の健康について注意するとともに、健康に変調をきたした場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかった場合には実験責任者に報告しなければならない。また、この事実を知り得た者も同様とする。
(緊急事態発生時の措置)
第16条 実験施設において、次の各号のいずれかに掲げる事態を発見した者は、直ちにその旨を実験責任者に通報しなければならない。
(1) 事故又は地震、火災その他の災害により、遺伝子組換え生物によって実験施設が著しく汚染され又は汚染のおそれがある場合は若しくは遺伝子組換え生物が実験施設から漏出し、若しくは漏出するおそれがある場合
(2) 遺伝子組換え生物によって人体が汚染され、又は汚染されるおそれがある場合
2 前項の通報を受けた実験責任者は、直ちに応急の措置を講ずるとともに、その旨を所属部局長に報告しなければならない。
3 前項の報告を受けた部局長は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、これらの状況、講じた措置等を学長に報告しなければならない。
(実験の制限、承認の取消等)
第17条 部局長は、実験責任者が法令若しくはこの規則に従わず若しくは従わないおそれがあると認めた場合又は実験の方法等が安全確保に適切でないと認めた場合は、必要に応じ、その是正の措置をとるよう実験責任者に指示しなければならない。
2 部局長は、前項の規定により指示した事項が是正されないと認めたときは、直ちに学長に報告しなければならない。
3 学長は、前項の報告を受けたときは、安全委員会に諮り、実験の一時停止を命じ、又は実験計画の承認を取り消すことができる。
(実験の終了及び中止)
第18条 実験責任者は、実験を終了又は中止したときは、実験終了(中止)報告書(別紙様式第5)を所属部局長を経由して学長に提出しなければならない。
左欄 | 中欄 | 右欄 |
学長 | 1 緊急事態発生時の措置に関する書類 2 実験計画の承認に関する書類 3 実験の一時停止の措置及び実験計画承認の取消しに関する書類 4 実験終了(中止)報告書 | 実験終了後5年 |
部局長 | 健康管理に関する書類 | 離職後5年 |
実験責任者 | 1 遺伝子組換え生物等の保管、運搬等実験の記録に関する書類 2 実験施設への立入者の氏名等に関する書類 3 施設?設備の点検に関する書類 4 教育訓練に関する書類 | 実験終了後5年 |
(雑則)
第20条 法令及びこの規則に定めるもののほか、実験の安全確保に関する必要な事項は、安全委員会の議を経て、学長が別に定めることができる。
附則
(施行期日等)
第1条 この規則は、平成16年3月19日から施行し、平成16年2月19日から適用する。
2 徳島大学組換えDNA実験安全管理規則(平成14年規則第1692号。以下「旧規則」という。)は、廃止する。
3 この規則施行の際現に旧規則第8条又は第9条の規定による承認を受けている実験計画は、この規則による改正後の第8条の規定による承認を受けたものとみなす。
(徳島大学環境保全委員会規則の一部改正)
第2条 徳島大学環境保全委員会規則(規則第1362号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(徳島大学組換えDNA実験安全管理専門委員会規則の一部改正)
第3条 徳島大学組換えDNA実験安全管理専門委員会規則(規則第1363号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成16年10月1日規則第103号改正)
この規則は、平成16年10月1日から施行する。
附則(平成17年3月24日規則第160号改正)
この規則は、平成17年3月26日から施行する。ただし、第2条第1項の改正規定中「、地域共同研究センター」を削る部分は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月17日規則第79号改正)
この規則は、平成18年4月1日から施行する。
附則(平成19年2月16日規則第42号改正)
この規則は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成20年3月21日規則第77号改正)
この規則は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成22年3月16日規則第32号改正)
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成24年3月21日規則第45号改正)
この規則は、平成24年4月1日から施行する。
附則(平成25年3月19日規則第69号改正)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成26年1月21日規則第54号改正)
この規則は、平成26年1月21日から施行する。
附則(平成27年3月17日規則第40号改正)
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月15日規則第64号改正)
この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成31年3月28日規則第89号改正)
この規則は、平成31年4月1日から施行する。
附則(皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】2年3月25日規則第80号改正)
この規則は、皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】2年4月1日から施行する。
附則(皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】3年3月26日規則第94号改正)
この規則は、皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】3年4月1日から施行する。
附則(皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】4年3月30日規則第81号改正)
この規則は、皇冠比分网_皇冠体育投注-【长期稳定直播】4年4月1日から施行する。
別表1(第8条関係)
実験の承認申請手続
事項 | 提出書類 | 提出部数 | 提出期限 |
1 法令により文部科学大臣の確認を必要とする実験(大臣確認実験)〔第8条関係〕 2 法令により学長の承認を必要とする実験(機関承認実験)〔第8条関係〕 | 下記(1)、(2)の書類及び実験の内容等により、(3)から(7)までの書類から必要に応じ選択した書類 |
| 毎月20日まで ただし、科学研究費補助金に係る実験については当該補助金研究計画調書の提出時また、特定研究経費に係る実験については毎年3月15日まで |
(1) 遺伝子組換え実験計画承認申請書(別紙様式第1) | 1部 | ||
(2) 遺伝子組換え実験計画書(別紙様式第2) | 1部 | ||
(3) 動物使用実験計画書(別紙様式第3) (4) 植物等使用実験計画書(別紙様式第4) (5) 科学研究費補助金研究計画調書の写 (6) 実験に用いる蛋白性毒素産生能を説明する資料 (7) その他必要に応じ実験計画の内容を説明する資料 | 各1部 |
(注)
1 実験計画を変更する場合の手続は、新規と同じ手続によること。
なお、変更に係る計画書を作成する場合は、当該変更事項に赤で下線を付す等変更事項を明確に記述すること。
2 必ず事前に申請し、承認を得ること。
別表2(第13条関係)
情報の提供手続
(注)
1 必ず事前に申請し、承認を得ること。
2 譲り受ける場合は、別表1による計画が承認された後とする。