開催日 | 平成23年10月15日(土) |
---|---|
見学先 | 王子製紙(株)富岡工場(阿南市豊益町) (日和佐道路 南阿波サンラインを経由) ホテルリビエラししくい(昼食 海陽町宍喰) 徳島県立南部防災館(海陽町浅川) モラスコむぎ(牟岐町) うみがめ博物館カレッタ(美波町日和佐浦) |
参加者 | 61名(家族?子供参加8名を含む) |
平成23年度見学会は、3年ぶりに徳島県内(県南部めぐり)となりました。
前日の西日本は、季節はずれの豪雨となり、見学会実施の可否について問い合わせもあり、判断を迫られる事態となりました。
気象情報に注目してみると、翌日は一時の雨はあるものの、全般は曇りであったので、実施に踏み切りました。幸いにも当日は朝からくもり、当日の欠席者もありましたが、全員2台の大型バスに分乗し、8時10分元気に出発しました。
王子製紙(株)富岡工場では、休日にもかかわらず工業会会員の宮本様をはじめ早川様、大西様から丁寧なご説明ご案内をいただき、施設見学後も熱心な質疑応答に対応していだきました。
最新鋭抄紙機N1マシン(フィンランド製)は、650億円をかけ平成21年9月に運転開始したもので、約1%濃度の液状パルプから、紙の層を形成し脱水するワイヤーパート、プレスパート、これを乾燥させサイズ液を塗工するドライヤーパート、サイズパート、紙の表面を均一?平滑化するプレカレンダー?コーター?カレンダーパート、巻き取り?仕上げのワインダーの9つの部分から成り、液状パルプから完成紙の巻取りまで連続して生産されています。この連続生産の能力は、幅9.2メートルの紙を毎時100キロメートルの高速運転で連続生産され、一日に1,000トンの上質紙をつくりだしています。主な製品は出版?印刷用紙および情報用紙で、塗工紙、キャストコート紙、上質紙など写真、グラビア、週刊誌の表紙、カレンダーなどに使われています。N1マシンの大きさは、長さ381m×幅51m×高さ29.3mの大きさで、この性能と設備の規模に驚かされました。
電源設備もボイラ3基、タービン5基、総出力12万6千kW、自家発電比率100パーセントを保有し、熱電総合効率で65%以上を達成しています。これらは、コストを勘案して自家発、買電を使い分けています。
今夏の四国の電力需給逼迫時には、四国電力への売電も行いました。
紙の原料は、古紙40%、針葉樹パルプ10%、広葉樹パルプ50%程度であり、パルプ原料の90%は輸入であります。
ボイラ燃料は木材チップからパルプを製造する工程で発生する植物性廃液を燃料にしたバイオマスボイラを使って、必要な電気や蒸気を供給し完全なオイルレス操業を行っています。新鋭のボイラでは、廃プラスチック、RPF(リサイクルに適さない紙ごみと廃プラスチックを成型した固形燃料)などを使用しCO2排出を削減しています。
また、CO2低減のためベトナム、タイ、中国などで植林事業も行っています。
工場は緑が多く、製紙会社特有の臭いも少なく清潔な感じを受けました。
王子製紙(株)富岡工場の沿革
昭和34年8月 | 神崎製紙富岡工場として操業開始 |
昭和56年10月 | 王子製紙との合併により新王子製紙富岡工場となる |
平成8年6月 | 本州製紙との合併により王子製紙富岡工場となる |
平成10年12月 | 家庭用紙工場稼働(現 王子ネピア徳島工場) |
平成21年2月 | N1マシン稼働 |
富岡工場の概要
敷地 | 1,095千平方メートル |
---|---|
従業員数 | 305人 |
パルプ生産能力 | 1,267トン/日 |
電力 | タービン発電機5基計 126千kW 最大購入電力 55千kW |
古紙脱墨パルプ生産能力 | 250トン/日 |
原料使用量 | チップ 544千トン/日 古紙 76千トン/日 |
今年7月全線開通の日和佐道路(自動車専用道路 阿南市福井町小野~美波町北河内 9.3キロメートル)、南阿波サンラインを経由して、12時20分 昼食場所「ホテルリビエラししくい」に到着。
徳島最南端の大規模ホテルでは、みんなでなごやかにゆっくりと昼食をとりました。 食事中、急に激しい雨が降りましたが、出発するころには止んでくれました。
平成22年5月オープンの「徳島県立南部防災館」は、「まぜのおか」の中に建設された施設で、担当の方から県南における災害時の防災活動拠点として、また平常時の防災教育?防災訓練の場としての施設建設の目的などについて説明を受けました。
貝と魚の博物館「モラスコむぎ」では、珍しい貝がたくさん展示されていて、興味をひかれました。
また、近海で捕獲された魚たちが悠然と泳ぐ姿も私たちを楽しませてくれました。
「うみがめ博物館カレッタ」は、NHKの連続ドラマの舞台としても有名になったところです。 世界のうみがめの展示や生態について、詳しい解説を聞くことができました。水槽では飼育中の子がめたちが元気に泳いでおり、屋外の大型水槽ではいろいろな種類の親がめを見ることができました。
ほぼ予定どおり見学を終え、午後6時30分すぎ、全員無事に徳島駅前へ帰りました。みなさまお疲れでございました。お世話になったみなさまには、ありがとうございました。
(短電41 四宮忠雄)