国立大学の予算の充実に関する声明
平成27年11月19日
国立大学法人徳島大学経営協議会委員
飯泉 嘉門(徳島県知事)
植田 和俊(一般社団法人徳島新聞社理事社長)
植田 貴世子(株式会社クラッシー代表取締役)
佐野 義行(徳島県教育長)
古川 武弘(株式会社阿波銀行相談役)
山本 紘一(株式会社山本鉄工所代表取締役会長)
結城 章夫(前国立大学法人山形大学長)
私たちは、国立大学法人徳島大学経営協議会の学外委員として、徳島大学の大学経営や教育研究及び社会貢献の在り方などについて、それぞれの経験や立場から意見を発してきた。
国立大学は今、それぞれの使命を達成すべく、強みや特色を生かした機能強化に取組んでおり、徳島大学においては、学部の新設や改組など資源の再配分による組織改革を基軸として、イノベーションを創出できる人材、世界で活躍できるグローバルリーダー及び地域社会活性化を担う人材を育成することとし、また、新たな研究拠点の形成や異分野融合型の最先端研究の推進を図るとともに、産学官連携強化による徳島の地域創生にも貢献することとしている。
しかし、国立大学は、平成16年の法人化以降、活動の基盤的経費である運営費交付金が年々削減され、これまでに1,470億円の大幅な削減となっており、徳島大学においても40億円の減少となっている。
国立大学が機能強化に向けた取組みを実効性のあるものとするためには、安定的な財務運営が不可欠であるが、運営費交付金の減少により国立大学の運営基盤は脆弱化し、諸経費の高騰とも相まって危機的な状況と言わざるを得ない。
このような状況の中、先般の財政制度等審議会財政制度分科会において、財務省より「国立大学法人運営費交付金」に関する提案がなされたが、その内容は運営費交付金を今後15年間毎年1%ずつ削減し、一方で授業料収入などの自己収入について毎年1.6%ずつの増加を促すというものである。
このことは、国立大学の財政基盤を更に脆弱化させ、自律的な改革や機能強化の取組みを危うくするものであり、大きな危惧を抱かざるを得ない。
ここに、国立大学が教育?研究?社会貢献の諸機能を強化し、将来の我が国の持続的発展に貢献する改革を着実に実行していくためには、「国立大学法人運営費交付金」等の基盤的経費の充実が不可欠であることを表明し、確実な財政支援を要請する。