徳島大学病院救急集中治療部 中西 信人助教が、『筋萎縮ゼロプロジェクト~ICUの患者さんにもう一度社会復帰してもらいたい~』を目的とする、研究?資金を募るため、クラウドファンディングを開始します。
医学の発展に伴い多くの病気が治療可能となっています。重症患者に関しても交通事故、肺炎、心筋梗塞などの治療はどんどん進歩しています。しかし、医療の本当の目的は何でしょうか。病気を治せばそれでいいのでしょうか。そんなことではなく、患者さんが社会に復帰できて初めて治療が完結したと私は考えています。
生存退院した重症患者の多くは5年後でさえも、もとどおりの生活に戻れておりません。再び仕事に復帰できる重症患者は非常に限られます。このようなICU退室後の長期にわたる身体機能?認知機能?精神の障害を集中治療後症候群(PICS:Post intensive care syndrome)といいます。
集中治療後症候群の大きな原因の1つがICUでの筋肉の萎縮です。私たちの研究でICU入室患者の筋萎縮はICU入室直後からおこり、1日に2-3%減少していく衝撃の事実が分かりました。重症患者の下肢や横隔膜のみでなく上肢や肋間筋も萎縮することを世界で初めて報告しました。つまり一部の筋肉のみでなく全身の筋肉が萎縮するということに着目し治療を行う必要性がみえてきました。
私たちは、ICUの患者さんをもう一度社会に戻したいと願っています。
そのためには、早期リハビリテーションを行い、全身の筋肉量をモニタリングしながら治療を進めることが必要です。私たちは、世界初の筋萎縮モニタリング測定のモデルを構築しようとしています。
超音波測定、体組成計測定、そして尿あるいは血中の物質を併用することで筋萎縮の評価が正確に誰でもができるようになります。市民の誰もが事故や病気でICUに入室する可能性があります。そして二度と元通りの仕事に復帰できない、社会と交流できない状態になる可能性があります。そのために、必要な研究があります。
このプロジェクトを通して重症患者の筋萎縮予防にむけた原因?診断?治療に関する研究の発展を目指していきます。特に私のような医師7年目で比較的若い医者には研究費の確保が非常に困難です。ご協力して頂いた支援金をもとに重症患者さんの社会復帰への希望となるような研究を行いたいと思います。 多くのICU患者さんがもう一度、社会に戻れるために、皆様からのご支援を必要としています。どうぞよろしくお願いいたします。
クラウドファンディングに挑戦します。皆様のご支援をお願いいたします。
■挑戦期間:2020年1月20日(月曜日)~2020年3月27日(金曜日)
■クラウドファンディングサイト:https://otsucle.jp/cf/project/2553.html