産学官連携推進部での修習を終えて
平成26年8月25日
第67期司法修習生 服部 匡史
徳島大学産学官連携推進部で修習をさせていただきました第67期司法修習生の服部匡史と申します。私は大学では機械工学を専攻しており、企業との共同研究を通して特許に関心を持ったことが法曹を目指すきっかけであったので、大学と法律との関わりを学びたく、司法修習の一環としての自己開拓プログラム(法曹の活動に関連する分野について、司法修習生が自ら開拓して行う修習プログラム)として、徳島大学産学官連携推進部において4日間にわたり、先行技術調査から契約に至る実際の業務を体験し、大学における知的財産の確保?管理?利用及び共同研究等について修習をさせていただきました。
修習で学んだことはたくさんありますが、ここでは、法律家との関係が特に深いと考えられる、企業との共同研究、特許出願、ライセンス等に関する契約についてご紹介させていただきたいと思います。法科大学院や司法試験の勉強において、これらの契約等について検討する機会はありませんでした。修習では、市販の本等でモデルケースとして挙げられている契約内容と実際の契約内容との違い、共同研究契約、特許出願契約、ライセンス契約をどのような形態で行うのか(一つの契約で行うか、段階的に複数の契約を行うのか)、契約交渉の過程で争いになり得る条項は何なのかといった点について、具体的な事例をもとに、大学側の事情を教えていただきつつ検討することができ、とても勉強になりました。
4日間という限られた期間で業務のすべてを体験できたというわけではありませんが、企業との交渉や安全保障輸出管理で苦労する点や現場ならではの視点等、机上の勉強では学べないことを知ることができ、これから法律家となる身として、とても有益な経験をすることができました。
最後に、修習を受け入れていただいた徳島大学産学官連携推進部の皆様、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。大学、研究者側の事情を少なからず知る者として、法律家の立場から少しでも大学、研究者の皆様のお役に立てるよう努めて参りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。